専門医プログラム

茨城県・筑波大学病理専門研修プログラム

Ⅰ.茨城県・筑波大学病理専門研修プログラムの内容と特長

1.プログラムの理念
このプログラムの理念は「診断・研究・教育すべてにわたって世界に通用する病理医育成」です。病理医はあらゆる分野で必要とされています。臨床では、“診断の要”、そして、研究の分野では、“臨床と基礎の橋渡し”としての役割を担っています。医学教育、研修医教育、臨床検査技師教育においても非常に重要な役割を果たしています。いずれの世界でも活躍できるgeneralな病理医を育成する事がこのプログラムの理念です。
2.プログラムにおける目標
診断・研究・教育、いずれの部分においても1人前と言われるような病理専門医になることが、当プログラムの目標です。「診断」という部分においては、生検材料、手術標本、解剖、迅速診断、細胞診いずれの分野において十分な診断能力を身につける事、また特に興味を持つ分野については、最先端の知識を身につける事が目標です。臨床医とのコミュニケーションを適切にとり、議論することができることも目標の一つになります。「研究」という部分においては、研修期間中に英文論文を最低1つ書く事が目標となります。1つ英文論文を書く事で、研究の考え方、実際の手技、論文の書き方の基本的な部分を学ぶ事ができます。「教育」という部分においては、医学生への教育、初期研修医への教育、後期研修医プログラムの後輩への教育、さらには病理部における臨床検査技師への教育など様々な立場の人への指導力が必要となります。指導力をつける、これも一つの目標です。
3.プログラムの実施内容
ⅰ)経験できる症例数と疾患内容
本専門研修プログラムでは年間150 例以上の剖検数があり、組織診断も58,000件程度あるため、病理専門医受験に必要な症例数は余裕を持って経験することが可能です。
ⅱ)カンファランスなどの学習機会
本専門研修プログラムでは、各施設におけるカンファランスのみならず、茨城県全体の病理医を対象とする各種検討会(茨城病院病理医の会)や臨床他科とのカンファランスも用意されています。これらに積極的に出席して、希少例や難解症例にも直接触れていただけるよう配慮しています。
ⅲ)地域医療の経験(病診・病院連携、地域包括ケア、在宅医療など)
本専門研修プログラムでは、病理医不在の病院への出張診断(補助)、出張解剖(補助)、迅速診断等の経験を積む機会を用意しています。
ⅳ)学会などの学術活動
本研修プログラムでは、3年間の研修期間中に病理学会総会もしくは病理学会関東支部会における筆頭演者としての発表(症例報告を含む)を必須としています。発表した内容は極力英文の医学雑誌に投稿するよう、指導をします。国際学会への参加も推奨します。

Ⅱ.研修プログラム

本プログラムにおいては筑波大学医学部附属病院を基幹施設とします。連携施設については以下のように分類します

  • 連携施設1群:複数の常勤病理専門指導医と豊富な症例を有しており、専攻医が所属し十分な教育を行える施設
    ※国立がん研究センター東病院、国立成育医療研究センター、愛知県がんセンター中央病院、総合病院土浦協同病院、茨城県立中央病院、公益法人筑波メディカルセンター病院、
  • 連携施設2群:常勤病理専門医がおり、診断の指導が行える施設
    ※東京医科大学茨城医療センター、水戸協同病院、国立病院機構水戸医療センター、水戸済生会総合病院、茨城県立こども病院、国立病院機構霞ヶ浦医療センター、国立病院機構茨城東病院、筑波記念病院
  • 連携施設3群:病理専門医が常勤していない施設
    ※日立総合病院、茨城西南医療センター病院、総合守谷第一病院、つくばセントラル病院、牛久愛和総合病院
  • パターン① 基幹病院を主とする研修パターン
    • 1年目前半:連携施設1群+基幹施設(週1日)
    • 1年目後半:基幹施設
    • 2年目:基幹施設+連携施設2群(週1日)
    • 3年目前半:基幹施設+連携施設3群(週1日)
    • 3年目後半:連携施設1群
    (国立がん研究センター東病院・国立成育医療研究センターなど、専門性の高い病院)
     基幹病院を主とする研修パターンの場合は1年目もしくは2年目から筑波大学大学院人間総合科学研究科に同時入学し、アカデミックレジデントとなることが推奨されます。専門医取得後は引き続きクリニカルフェローとして基幹病院で働きながら大学院卒業と学位取得を目指します。
  • パターン② 連携病院(国立がん研究センター東病院)を主とする研修パターン
    病理専攻1年目より国立がん研究センター東病院を主とする研修を実施する場合)
    • 1年目前半:国立がん研究センター東病院週5日
    • 1年目後半:筑波大学週5日
    • 2,3年目:国立がん研究センター東病院週4日+筑波大学が指定する研修病院週1日
    • 1)国立がん研究センター東病院を主たる研修先とする場合、基幹病院である筑波大学の大学院に同時入学することを原則とする。
    • 2)ただし非腫瘍性疾患について、2もしくは3年目の最大6か月間を筑波大もしくはその連携施設研修病院で研修することを可能にする。
      なお、国立がん研究センター東病院での研修を主とする研修医の身分や給与等に対する規定はセンターとして未だ定まっておらず、その状況により上記内容は変更になる可能性がある。
  • パターン③ 連携病院(愛知県がんセンター病院)を主とする研修パターン
    • 1年目 連携施設1群 2年目~3年目 連携施設1群 + 基幹施設(適宜)
  • パターン④ 連携病院(茨城県立中央病院)を主とする研修パターン
    • 1年目前半:当院(連携施設1群) 
    • 1年目後半:当院(連携施設1群+基幹施設(筑波大学))(週1日) 
    • 2年目前半:基幹施設(筑波大学)+連携施設2群(週1日) 
    • 2年目後半:基幹施設(筑波大学)+連携施設3群 
    • 3年目前半:連携施設1群(国立成育医療研究センターなど専門性の高い施設)
    • 3年目後半:連携施設1群(当院以外)+当院(連携施設1群)(週1日)
  • パターン⑤連携病院(筑波メディカルセンター病院)を主とする研修パターン
    • 1年目前半 基幹+当院(週1日程度、解剖主体) 
    • 1年目後半 連携(当院) + 基幹(週1程度)
    • 2年目3年目:連携施設(当院他、専門施設など適宜)
  • パターン⑥連携病院(土浦協同病院)を主とする研修パターン
    • 1年目:基幹施設
    • 2年目:基幹施設+連携施設(週1日) 
    • 3年目(前半):基幹施設+連携施設(週1日)
    • 3年目(後半):連携施設(当院他、専門施設など適宜)

Ⅲ.研修連携施設紹介

1.専門医研修基幹病院および研修連携施設の一覧(数値は平成26年実績)

 

担当領域

施設分類

病床数

専任病理医

病理専門医

剖検数

組織診

迅速診

細胞診

筑波大学附属病院

組織(生検、手術)、迅速、解剖、細胞診

基幹施設

800

17

10

48

9537

570

10756

国立成育医療研究センター

組織(生検、手術)、迅速、解剖、細胞診

連携施設 1群

490

6

5

20

3150

96

1603

国立がん研究センター東病院

組織(生検、手術)、迅速、解剖、細胞診

連携施設 1群

425

6

6

4

11433

649

3827

愛知県がんセンター

組織(生検、手術)、迅速、解剖、細胞診

連携施設 1群

500

7

4

3

10810

958

7387

東京医科大学茨城医療センター

組織(生検、手術)、迅速、解剖、細胞診

連携施設 2群

389

2

1

4

4728

197

3903

総合病院土浦協同病院

組織(生検、手術)、迅速、解剖、細胞診

連携施設 1群

900 

4 

4 

17 

9520 

216 

11174 

茨城県立中央病院

組織(生検、手術)、迅速、解剖、細胞診

連携施設 1群

500

3

3

15

6912

351

9174

公益法人筑波メディカルセンター

組織(生検、手術)、迅速、解剖、細胞診

連携施設 1群

413

3

2

4

4748

231

14709

水戸協同病院

組織(生検、手術)、迅速、解剖、細胞診

連携施設 2群

312

1

1

12

2821

86

2699

水戸医療センター

組織(生検、手術)、迅速、解剖、細胞診

連携施設 2群

500

1

1

12

4535

168

1536

水戸済生会総合病院

組織(生検、手術)、迅速、解剖、細胞診

連携施設 2群

500

1

2

9

4015

45

7642

茨城県立こども病院

組織(生検、手術)、迅速、解剖、細胞診

連携施設 2群

115

1

2

2

145

1

145

茨城東病院

組織(生検、手術)、迅速、解剖、細胞診

連携施設 2群

410

1

1

0

631

41

1455

霞ヶ浦医療センター

組織(生検、手術)、迅速、解剖、細胞診

連携施設 2群

250

1

1

4

2900

49

6539

筑波記念病院

組織(生検、手術)、迅速、解剖、細胞診

連携施設 2群

487

1

1

6

2750

20

6400

日立総合病院

組織(生検、手術)、迅速、解剖、細胞診

連携施設 3群

543

0

0

4

5986

74

2363

茨城西南医療センター

組織(生検、手術)、迅速、解剖

連携施設 3群

358

0

0

2

2296

31

4864

つくばセントラル病院

組織(生検、手術)、解剖

連携施設 3群

313

0

0

1

1301

15

3539

牛久愛和総合病院

組織(生検、手術)、迅速

連携施設 3群

489

0

0

11

2334

9

2182

総合守谷第一病院

組織(生検、手術)、迅速

連携施設 3群

203

0

0

0

1875

4

4527

○各連携施設からのメッセージ

  • 国立成育医療研究センターのメッセージ;
    当院では、小児血液・固形腫瘍の中央診断施設として、全国から送付される年間500例以上の症例をリアルタイムに経験することができます。豊富な過去の症例のアーカイブを実際にみたり、様々な小児がん関連のカンファランスに参加する事により稀少な小児腫瘍について短期間で効率的な研修を行うことができます。ルーチン業務では腫瘍以外の小児周産期病理の診断を経験できます。
  • 国立がん研究センター東病院のメッセージ;
    国立がん研究センター東病院ではがん専門病院として豊富な症例を経験することができます。また臨床研究中核拠点病院として、最先端の診断・治療法を用いた診療やその開発に接することができます。さらに自分の興味のあるテーマを深く突き詰めたい方は、併設する先端医療開発センターも含めた研究活動を行うことが可能です。各人の興味や希望に合わせた研修カリキュラムを組んでいきますので、今後の日本の病理を担う若き先生方の積極的な参加を希望します。
  • 愛知県がんセンターのメッセージ;
    平成20年には中央病院約6000件、愛知病院約1300件の細胞診のうち、診断医に回る件数は半数以上であり、さらにその約半数近くが偽陽性以上を占めます。すなわち、全体としておよそ1/4の症例が偽陽性もしくは陽性であり、がんセンターの特徴を良く表しています。特に乳腺腫瘍の細胞診は年約1000件前後を占めるとともに、手術適応・術式決定について重要な情報を提供しています。また、内視鏡室やエコー室に直接出向いてのROSE(rapid on site cytology evaluation)や細かい臨床情報交換を通じて、診断精度を上げる試みも行っています。必要な場合には検体採取の報告も積極的に行っています。これらの特徴を生かし、細胞診については研修を行っています。
  • 茨城県立中央病院のメッセージ;
    研修1年目は当院で病理診断の基礎(組織診断の基礎、病理解剖)を重点的に研修します。2年目以降、基幹病院(筑波大学)で病理診断の研修と同時に、研究を行い、診断とは別の側面からの病理を経験して行きます。また、他の連携施設での研修を通して、施設ごとの専門領域を習得し、病理専門医の基礎を形成します。
  • 公益法人筑波メディカルセンター病院のメッセージ;
    当センターに併存される筑波剖検センターでは法医解剖を行っており、それを併せた幅の広い解剖研修が可能です。また、がんセンター、救命救急センター、健診センターのある総合病院であるため、細胞診、組織診、解剖まで特色ある研修が可能です。
  • 水戸協同病院のメッセージ;
    当院は、民間病院であるとともに大学附属病院の教育センターであることが特徴です。全国から若い研修医たちが集まり、教育熱心な指導医・スタッフがそろっています。病理と臨床の距離はゼロに近く、病理診断が患者さんのマネージメントに直結することを肌で感じることができるでしょう。臨床医との熱いディスカッションを日常的に展開される環境です。
     大学病院や専門病院とはまた異なる、患者さんの顔が見える環境での病理を一度一緒に研修してみませんか。
  • 総合病院土浦協同病院のメッセージ:
    H28年3月に新病院に移転します。当院は、ほぼ全領域に対応する総合病院(900床)であり、がん診療拠点病院、救急救命センター、周産期母子医療センター、健診部門がありますので、多岐にわたる症例が経験できます。免疫染色、電子顕微鏡検査、FISHなどの遺伝子検査も頻回に行われています。4名の常勤医に加えて数名の非常勤の先生方に専門的アドバイスをいただきながら研鑽できます。
  • 茨城東病院のメッセージ:
    90%以上肺・縦隔・胸膜病理です。肺・胸部疾患の病理を集中的に学ぶのに適しています。過去の標本および凍結標本もあり、肺の研究もできます。
  • 国立霞ヶ浦医療センターのメッセージ;
    専門研修連携施設である当院は、特に産婦人科の症例が豊富であり、一般的な症例から希な腫瘍まで広く研修できます。
2.専門研修施設群の地域とその繋がり
筑波大学附属病院を基幹施設とするこのプログラムでは、地域の中核病院である関連施設やがんセンター・成育医療センターなど専門性の高い関連施設が含まれています。地域の中核病院では、臨床との距離が近く実際の診断がどのような影響を及ぼすかをより知る事ができます。専門性の高い関連施設では、興味のある分野に関して日本トップクラスの研鑽を積む事ができます。常勤医不在の施設(3群)での診断に関しては、診断の報告前に基幹施設の病理専門医がチェックしその指導の下最終報告を行います。
本研修プログラムの専門研修施設群における解剖症例数の合計は年平均90症例程度あり、病理専門指導医数は10名在籍していますので、9名(年平均3名)の専攻医を受け入れることが可能です。また本研修プログラムでは、診断能力に問題ないとプログラム管理委員会によって判断された専攻医は、地域に密着した中小病院へ非常勤として派遣されることもあります。これにより地域医療の中で病理診断の持つべき意義を理解した上で診断の重要さ及び自立して責任を持って行動することを学ぶ機会とします。

Ⅳ.研修カリキュラム

1.病理組織診断
基幹施設である筑波大学附属病院と連携施設(1群と2群)では、3年間を通じて業務先の病理専門指導医の指導の下で病理組織診断の研修が行われます。基本的に1年次にはマンツーマンの指導が行われます。
適切な相談ができる様になることが1年次の目標です。2年次以降は、ある程度任されて研修が行われます。Generalな力をつける事が2年次の目標です。3年次には専門性をある程度考えた研修が行われます。そのために専門性の高い連携施設に研修する事もプログラムに組み込まれています。特定の領域について高い知識を得ることが3年次の目標です。筑波大学では「つくばヒト組織診断センター」が病理医不在の連携施設(3群)の検体を引き受けており、多くの、そして多彩な症例について学ぶ事ができます。また、各臨床科とのカンファランスも定期的におこなわれており、病理側で発表する事により、臨床とのコミュケーションの取り方、実際に望まれる診断について、また病理報告書の意味を学ぶことができます。
2.剖検症例
剖検(病理解剖)に関しては、研修開始から最初の5例目までは原則として助手として経験します。以降は習熟状況に合わせ主執刀医として剖検を行い、指導医の基で切り出しから診断、CPCでの発表まで一連の研修をします。基幹病院である筑波大学附属病院では、病理医不在病院の病理解剖も引き受けており、様々な種類の解剖を経験することができます。また、十分な解剖数も確保されています。そのほか、剖検材料のマクロ所見を皆で共有するマクロカンファランス、出張CPC、学生教育用CPCへの参加など、解剖技術だけでなく、教育技術についても学ぶことができます。さらに、指導医の監督のもとに「医療事故調査報告制度」で解剖される症例についても経験する事ができます。
3.学術活動
病理学会(総会及び関東支部会)などの学術集会の開催日は専攻医に、積極的な参加を推奨しています。発表をすることが望ましいのですが、発表をしない場合でも報告会でのプレゼンテーションにより参加費がサポートされます。
4.自己学習環境
基幹施設である筑波大学には関連病院で勤務している多くの指導医が週1回ずつ指導に来ています。様々なスペシャリティーを持つ指導医から指導を受ける機会があります。
5.日課(タイムスケジュール:筑波大学の例)

 

生検・手術当番

解剖当番日

迅速当番日

 

(前日の夜に標本来る)

1日待機

(当番日は専門医でローテーションされる)

1日迅速の対応

(当番日は曜日で決まっている)

〜9:30

指導医とともに免疫染色オーダー

 

 

9:30〜

手術切出し

 

 

 

 

午後

報告書作成

 

 

夕方

免疫染色確認

 

報告書下書きを指導医に提出

6.週間予定表(筑波大学の例)
  • マクロカンファランス  (毎週月曜日 14:00)
  • 腎生検カンファランス (毎週月曜日 15:30)
  • 肝生検カンファランス (第3月曜日 18:00)
  • 小児科カンファランス (第4金曜日 17:00)
  • 消化器カンファランス       (毎週水曜日 16:00)
  • 剖検例検討会     (毎週水曜日 17:30)
  • Pre剖検検討会             (適宜水・金   14:00)
  • 泌尿器科カンファランス (第3火曜日 18:00)
  • 乳腺甲状腺内分泌外科カンファランス  (毎週水曜日 18:00)
  • 婦人科カンファランス     (第3水曜日 19:15)
  • 消化管内視鏡カンファランス     (第4木曜日 8:30)
  • 血液内科カンファランス (適宜木曜日 17:30)
  • 皮膚科カンファランス     (毎週木曜日 17:00)
  • 呼吸器カンファランス   (毎週月曜日 18:30)
  • 病理部ミーティング      (毎週月曜日 13:00)
  • プレ検討会+スライドカンファランス (毎週金曜日 17:00)
  • 脳腫瘍カンファランス   (毎週火曜日 17:00)
7.年間スケジュール
  • 2月 茨城病院病理医の会
  • 4月 病理学会総会
  • 5月 臨床細胞学会総会
  • 7月 病理専門医試験
  • 10月 解剖検体慰霊式 茨城病院病理医の会
  • 11月 病理学会秋期特別総会
       臨床細胞学会秋期大会
  • 12月 忘年会

Ⅴ.研究

本研修プログラムでは基幹施設である筑波大学におけるミーティングや抄読会などの研究活動に参加することが推奨されています。筑波大学ではアカデミックレジデント制度が確立されており、大学院生と専攻医の両方を兼ねる事ができます。これにより、研究者の視点で診断を行う力をつけることが可能で、専門医と学位の両方を比較的早期に取得する事ができます。

Ⅵ.評価

本プログラムでは各施設の評価責任者とは別に専攻医それぞれに基盤施設に所属する担当指導医を配置します。各担当指導医は1~3名の専攻医を受け持ち、専攻医の知識・技能の習得状況や研修態度を把握・評価します。半年ごとに開催される専攻医評価会議では、担当指導医はその他各指導医から専攻医に対する評価を集約し、施設評価責任者に報告します。

Ⅶ.進路

専門研修プログラム終了後1年間は基幹施設または連携施設(1群ないし2群)において引き続きクリニカルフェローとして病理診断に携わり、研修中に不足している内容を習得します。専門医資格取得後も引き続き基幹施設または連携施設(1群ないし2群)においてクリニカルフェローあるいは専任病理医として診断を続け、サブスペシャリティ領域の確率や研究の発展、あるいは指導者としての経験を積んでいただきます。アカデミックレジデントについては本人の希望によって学位取得後海外留学することも可能です。

Ⅷ.労働環境

1.勤務時間
平日8時30~17時15分を基本としますが、専攻医の担当症例診断状況によっては時間外の業務もあります。
2.休日
完全週休二日制であり祭日も原則として休日ですが、月に2回程度休日の解剖当番があります(自宅待機)。
3.給与体系
基幹施設に所属する場合は医員としての身分で給与が支払われます。大学院生にもなり、アカデミックレジデントとなった場合も同様の給料が支払われます。ただし、大学院生としての学費を払う必要があります。連携施設に所属する場合は、各施設の職員(多くの場合は常勤医師・医員として採用されます)となり、給与も各施設から支払われます。基幹病院に勤務している際には、連携施設における定期的な研修も収入となります

Ⅸ.運営

1.専攻医受入数について
本研修プログラムの専門研修施設群における解剖症例数の合計は年平均150症例、病理専門指導医数は14名在籍していることから、14名(年平均14名)の専攻医を受け入れることが可能です。
2.運営体制
本研修プログラムの基幹施設である筑波大学附属病院病理診断科においては4名の病理専門研修指導医が所属しています。また病理常勤医が不在の連携施設(3群)に関しては筑波大学医学部附属病院病理診断科の常勤病理医が各施設の整備や研修体制を統括します。
3.プログラム役職の紹介
i)プログラム統括責任者
野口雅之(筑波大学医学部附属病院病理診断科長)
資格:病理専門医・指導医、臨床検査専門医、細胞診専門医
略歴:
  • 1982年 筑波大学医学専門学群卒業
  • 1987年 国立がんセンター研究所病理部研究員
  • 1994年 国立がんセンター研究所病理部室長
  • 1996年 筑波大学大学院教授(診断病理学)
  • 2000年 筑波大学附属病院病理部長
ii)連携施設評価責任者
A義岡孝子(国立成育医療研究センター病理診断部長)
略歴:
  • 1989年 鹿児島大学医学部卒業
  • 2004年 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 腫瘍学講座 分子細胞病理学助教
  • 2014年 鹿児島大学病院病理部・病理診断科副部長 
  • 2015年 国立成育医療研究センター病理診断部長
B落合 淳志(国立がん研究センター先端医療開発センター分野長 東病院 病理・臨床検査科長、研究所 副所長)  
略歴:
  • 1982年 広島大学医学部卒業
  • 1986年 広島大学大学院医学系研究科 修了
  • 1987年 広島大学第一病理 助手 
  • 1988年 西ドイツ ハノーバー医科大学 研究員  
  • 1993年 国立がんセンター研究所 室長 
  • 1998年~ 国立がんセンター研究所支所(=東病院の研究所)部長 
  • 2013年~ 国立がん研究センター中央病院 病理・臨床検査科長 併任 
  • 2014年~ 国立がん研究センター研究所 副所長 併任
C谷田部 恭(愛知県がんセンター中央病院遺伝子病理診断部長臨床検査部長(兼任))  
略歴:
  • 1991年 筑波大学医学部卒業 
  • 1995年 名古屋大学大学院修了 
  • 1995年 愛知県がんセンター病院 臨床検査部(病理) 
  • 1998年 Norris Comprehensive Cancer Center, University of Southern California
  • 2000年 愛知県がんセンター中央病院 遺伝子病理診断部
D飯島達生(茨城県立中央病院病理診断科病理部長)  
略歴:
  • 1985年 筑波大学医学専門学群卒業 
  • 1993年 筑波大学基礎医学系講師 
  • 2001年 筑波大学大学院人間総合科学研究科講師 
  • 2006年 筑波大学大学院人間総合科学研究科助教授 
  • 2007年 茨城県立中央病院病理診断科病理部長
E菊地和徳(筑波メディカルセンター病院病理診療部 病理診療科長)  
略歴:
  • 1993年 北海道大学医学部卒業
  • 1997年 北海道大学大学院医学研究科博士課程 終了 
  • 1997年 北海道大学医学部附属病院病理部医員 
  • 1998年 東京都老人総合研究所分子病理部研究員 
  • 2000年 東京都老人医療センター剖検病理科医員
  • 2001年 千葉県がんセンター臨床病理部 医長 
  • 2003年 筑波メディカルセンター病院診療部病理科医長 
  • 2004年 筑波メディカルセンター病院診療部病理科 診療科長
F森下由紀雄(東京医科大学茨城医療センター病理診断科長)  
略歴:
  • 1989年 岐阜大学医学部卒業
  • 1993年 岐阜大学大学院医学研究科修了
  • 1993年 国立がんセンター研究所病理部研修
  • 1995年 岐阜大学附属病院中央検査部助手
  • 1997年 筑波大学講師(臨床医学系病理)
  • 2003年 筑波大学准教授(臨床医学系病理)
  • 2012年 東京医科大学茨城医療センター病理診断科 教授
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